歯の根の治療がしっくりこない経験はありませんか?根の病気のトラブルの解決が難しいのには理由があります。

①根の治療は専門性が高い
②根の治療の成功率を上げるには?
③根の構造は複雑
④治りにくい根の病気がある
⑤根の病気と身体の関係
 
根管内の観察例 

顕微鏡を用いて根管治療を行った時に撮影した写真です。根の中に出血があるのが見られます。このような根の先端付近の状態は顕微鏡でしか見ることができません。
また写真のように、根の治療を行う場合は、かみ合わせを狂わせないためにかぶせものを外さないで、真ん中だけ削り治療を行うことが、デリケートな患者さんの歯の治療には絶対に必要です。



当医院では2014年1月21日よりCTスキャンを導入いたしました。

根管治療のみならず、虫歯治療、矯正治療すべてにおいてCTスキャンを用いた撮影を行います。


当医院ではCT撮影以外の撮影は情報量が少ないため行っておりません。一部位8400円となっております。(根の治療を同時に行う場合は治療費に含まれます)CTは根管治療をより確実なものにしてくれます。神経の炎症を放置すると頭痛や頬骨、顎の下まで痛くなることも

根の病気で、痛いのは歯だけではありません、場合によっては上の歯では頬骨や頭痛、下の歯では顎の下まで痛くなってしまうことがありますます。このような症状は、歯に材料を詰められた後から時々しみたり、うずいたりしてしているうちにその痛みが徐々に広がって起こります。実際には神経が死んでいなくても、炎症があると、その歯が頭痛の原因になることがあります。

神経を取って根の治療をすることで、頭痛がすっかり治ってしまうことも珍しくないのです。ただししっかりとした診断が必要です。神経の治療が必要かどうかは診断が難しく、CT撮影をすると3次元的にな骨の状態や上顎洞の炎症の状態から診断がおこないやすくなるのです。 根の治療だけをする専門医とは異なります。
根管治療がどんなにうまくいっても、土台の治療、被せものの治療までラバーラムを使って行われていなければ、根が再び感染しまうリスクがあります。根の治療といっても、その後の治療までトータルに考えた治療を行うのが当医院の強みです。 また根の治療中に、かみ合わせが変わることを防ぐために、かぶせものを外すことなく根の治療を行います。 そもそも、神経を取らねばならないほど歯が重篤な状態になってしまうのも、歯に過剰な力がかかるかみ合わせであったり、詰め物を行う際に感染の対策や修復材の選択によってなることがあります。 また、噛み合わせが原因で身体のバランスが悪いと片側の筋肉の固まりやすく、身体にもアンバランスが生じやすくなります。つまり噛み合わせも治療をおこなえば、再発するリスクが少なくなるのです。
そういった意味でも歯科治療は単に痛む場所や調子の悪い場所だけを治療すればすむといった考え方では本当の意味で治らないのです。 エネルギーを考慮した根の治療?虫歯が進行し、根の治療が必要になるということは、かなりその歯に大きなダメージが加わっていたことを意味します。すなわちその歯には強いストレスエネルギーがかかり続けていたといえます。 根の治療はこのようなストレスエネルギーを十分に取り除かなければ治療が成功しません。単純に細菌感染を取り除いただけで痛みが消えないのはそれが理由です。 >我々はストレスエネルギーの存在を認め、それを取り除く治療を行い、治療を成功させてきました。
これからはこのような科学的にまだ解明できていないエネルギーに対しても対応できる治療がますます必要になってくるでしょう、

①根の治療は専門性が高い
根の治療は難易度が高くアメリカでは主に訓練を受けた専門医が行います。

アメリカの根管治療専門医の95%以上が顕微鏡を使い、必須の機器と言えます。

私が大学院生だった1993年頃は歯科用顕微鏡は日本にほとんどなく、母校の東京医科歯科大学(現在の東京科学大学)にウン千万円するものがあり、その頃初めて根の治療の手術を見学し、学生教育との乖離を感じました。

根の治療専門の講座でも顕微鏡歯科の教育は日本ではいまだに十分とは言えず、留学や独学で行っているのが現状です。

②根の治療の成功率を上げるには?

根の構造は複雑で、顕微鏡で見ながら僅か数十ミクロンの穴を見つけ、超音波のチップでミラー越しに行う繊細な作業は、かなりの訓練が必要です。

ラバーダム防湿とは

ですから、きちんと治療を行わなければならないのですが、特に日本では保険診療では十分な処置ができていないのが現状です。

通常アメリカなどのデータでは、神経を抜く治療(抜髄)の際、顕微鏡を用いて、ラバーダムをかけて治療を行うと、98%程度の良好な経過をたどるといわれています。

しかし、日本では多くの症例で経過不良で再治療となっています。また適切な神経の除去や、感染対策(ラバーダムなど)を行っていないために、再治療を行うときには根の穴の周囲に感染が広がり、再治療が非常に難しくなっており、治療後の経過が悪い傾向があります。

また、顕微鏡を使って根の治療をすること自体が非常に高度なテクニックを必要とするので、多くの先生は治療技術をマスターする前に諦めてしまいます。(実際は自由診療で行わなければ採算も合いません)

③根の構造は複雑

また日本の患者さんはまだまだ歯に対する意識が十分でなく、根の治療に多額の費用がかかることを理解している人が少ない上、歯の神経がなくなっていることがどういうことなのかさえ十分に理解していない場合もあります。

弱くなってしまった根管治療後の歯で硬いも物を強く噛んで歯が割れ、抜歯になる例も少なくありません。

また、根の治療になる歯は、その人の一種の弱点の部分とも言えます。弱点部分には常にストレスがかかりやすくなっていますから、身体を適度に休め、負荷がかからないようにしないと、弱点である部分の歯は痛みやすくなります。

顕微鏡(マイクロスコープ)を用いて根の治療を行うと、治療の確実性が格段に上がります。それは、見ることができず、手探りで行われてきた治療が、確実な目視下で行うことができるからです。

根管内の異物除去

次は顕微鏡を用いた、根管内異物の除去の例です。

根管治療画像03
根管治療画像01
根管治療画像02

左の写真は、根の治療の際にファイルという金属製の根の治療器具が折れているのが写っているレントゲンです。
特に痛みがなければ除去するのは危険ですし、問題を起こさない場合もあります。しかしこの患者さまの場合痛みが出てきましたので顕微鏡下ではずすことにしました。なんとかうまく外すことは出来ましたが、少し根の穴の太さが大きくなってしまいました。(右写真矢印)折れていた器具の長さは実施8ミリ近くありました。
このように顕微鏡下で根管内の異物を取り除くことはできるのですが、一歩間違うとさらにことを悪化しかねないリスクもあります。根に痛みがあったり、病巣ができてしまっている場合は積極的に取り除いてゆきますが、特に問題がない場合は、ある程度トライし、どうしても難しい場合は無理に取らないようにしています。
いずれにしても顕微鏡なしではこのような治療は困難です。

根の治療についてもっと知りたい方はこのページへ⇒根の治療(なぜ治らない)

根の治療は治りにくいと多くの患者さまが困るのが現状です。しかし、実は根の治療は実は非常に単純な次の3つの作業を行っているに過ぎません。
1、根の中にある異物を除去する。(感染の原因を取り除くため)
2、根の中の細菌を殺し、根の中を無菌の状態にする。
3、開けた根の穴に隙間なく材料をつめてゆく。
といった3つの作業です。しかしながら1、を実際に確実に行うには、顕微鏡の力を借りなければ不可能です。また2、を確実に行うためにはラバーダム防湿と、隔壁(歯が大部分なくなっってしまった場合に作る壁)が確実に行わなければ無理です。

また3、も現在ではロータリーファイルと言って、超弾性(形状記憶合金)でできた歯を削る器具を用いて行うを確実に根の穴の形を材料を詰めやすい形にできるのです。

超弾性ロータリーファイルなどは、いずれも非常に高価でしかもロータリーファイルは、折れることもあるので、絶えず交換していかねばならず、非常にコストがかかるのです。
また、顕微鏡で治療を行う際は、非常に細かい作業で、治療は目も体も疲れますから、一日に何人も治療できません。よりよい根の治療を求めるのであれば、保険診療では難しいと言えるでしょう。

私個人の意見ですが、顕微鏡も使わない根管治療は、うまくいくかどうかわからない(根の中を確認できないので)極めて確実性の低い治療ではないかと思います。