ラバーダム防湿とは?
外科手術では術野以外は滅菌した覆布がかけられます。
虫歯治療は外科処置なのでラバーダムが覆布の代わりにかけられます。

ラバーダム防湿は近代の歯科で100年以上使われてきました。
残念ながら保険診療でラバーダム防湿はほとんど行われません。
1,ラバーダムのメリット
①感染から歯を守る
②切削器具からの保護
③術野を見やすく
④水分の排除
⑤恐怖心からの解放
①感染から歯を守る
唾液の侵入を防ぎ、歯を感染から守ります。
②.切削器具からの保護
歯の切削中は分速30万回転するダイヤモンドや鋭い歯のついた高速器具が回転しています。唾液や水を飲んだり、咳をすることで舌や粘膜の思わぬ動きから、意図せず傷つけてしまう危険性があります。
ラバーダムはタービンやエンジンなどの高速切削器具が舌や粘膜を傷つけることを防いでくれます。
③.術野を見やすくする
ラバーダム防湿によって、口からの水蒸気や唾液が排除され、虫歯の確認や術野の確認が行いやすくなります。
齲蝕検知液による虫歯の染だしが確実に行えるため、治療の精度が上がります。
④.修復物を水分から防御する
ほとんどの修復材料は水分に弱い性質を持ちます。唾液だけでなく、呼吸による水蒸気も、詰め物の強度や接着力が落ちる原因になります。
⑤.恐怖感からの解放
麻酔科でラバーダム防湿をされることで、患者さんは自分の歯の治療がどこか遠い場所で行われているかのような錯覚を受けます。
当院では虫歯の治療中眠ってしまう患者さんがほとんどです。
写真で見るラバーダム
歯の根元の虫歯治療を行う場合(WSDと呼ばれる歯の根元のえぐれを修復する場合のラバーダムのかけ方)
不良修復物の下に特殊なラバーダムクランプをかけます
不良修復物を取り除いた状態
メスで材料の余剰部分を取り除いている
完成
根の治療を行う場合のラバーダムのかけ方

強度が十分にある歯の根管治療を行う場合

ブリッジになっている歯に対しては、ブリッジの下にラバーダムをフロスで縛ることで防湿を確実にします。