虫歯治療をして治したはずなのに治療したところが痛い、冷たいものがしみるなどの症状に悩まされている方も多いのではないのでしょうか?治療した歯科医院に行ってもたまにしみることがありますとか様子見ましょうなどと言われて特に何もしてくれないというつらい経験をした方もいると思います。
今回はなんで痛みやしみが取れないについて大きく5つに分けて書いていきます。
そもそも虫歯になるとなぜ歯がしみるたり痛かったりするのかについて書いていきます。歯には神経が通っていますが歯の神経は象牙質とエナメル質という二層の構造で守られています。エナメル質は歯の一番表面にある構造で透明で人の組織の中で一番硬いです。象牙質はその内側にある構造でエナメル質より強度は落ちますが十分な硬さを持っています。また、象牙質まで神経の先が届いているため、象牙質が出るとしみたり痛かったりなどの症状が出てきます。
これがいわゆる知覚過敏と呼ばれるものでしみる一番の原因です。虫歯になると象牙質まで水が入り込んだり風が届いたりするので痛みやしみが出てきます。
虫歯に感染したエナメル質や象牙質をしっかり取ってなくなった場所に歯の代わりとなる材料を詰めることにより虫歯治療が完了します。この時に詰める材料は1日で終わる治療だとレジンやGI(グラスアイオノマーセメント)、アマルガムなどで、虫歯の大きさによっては詰め物、被せ物になっていきます。この際詰めるものや詰める前に行う処置によってしみたり痛くなってしまうことがあります。特にレジンや詰め物の治療を行った後に痛みを訴える患者さんが多いため、それらの原因について書いていこうと思います。
まずはレジンを選択したときに症状が出る時の原因について説明していきます。レジンは歯とくっつく性質を用いて非常によく使われる材料ですが、使いどころを間違えてしまうと症状が出てきてしまいます。先ほど象牙質まで神経の先が届いていると説明しましたが、神経の先は象牙細管という管の中の入っています。レジンは歯としっかりくっついて剥がれないようにするため、この象牙細管の中まで入り込むように使います。レジンは神経に対して基本的には症状を引き起こさないのですがたまに症状を引き起こすことがある上、直接神経の先に触れているため、しみや痛みの症状を引き起こします。
また、レジンは固まる際に収縮する性質があるのでこれにより歯とレジンの間に隙間ができてそこから新しく虫歯ができてしまい、痛みを引き起こすこともあります。これらの原因により虫歯はとりきっているはずなのに痛みが出るということが起きてしまいます。
次に詰め物を選択したときに症状が出る原因について説明していきます。詰め物を選択する時点で虫歯はかなり深く神経に近いため、適切な処置をしなければ痛みが出てしまい神経の処置をしないと落ち着かないという事態に陥りやすいです。ここでいう適切な処置とは神経に近い深い虫歯に用いるMTAセメントを使用するかどうかということです。MTAセメントについては詳しくこちらで書いていますので是非ご覧ください。MTAセメントを用いらずに詰め物をした場合神経に炎症が起きて痛くなることが起こりやすいです。
今回は虫歯治療したのにしみる、痛みが取れない原因について書いていきました。当院ではこのようなことが起きないように材料や治療法にこだわっていますので、もし治療後のお痛みでお悩みでしたら、ぜひご相談ください。