しっかり噛める歯列矯正治療

当院の歯列矯正治療は他院の歯列矯正治療と異なります。

見た目を治すことではなく、しっかり噛めるようになることを目的としています。

ここではほかの歯列矯正治療と何が違うのかについて7つに分けて説明しています。

歯を抜く必要はない?

 歯列矯正治療を行って、このままでは歯が並ばないから歯を抜かないといけないと言われて歯を抜いた方は多いと思います。確かに歯を抜いたほうが早く歯は並ぶし、見た目もきれいになります。しかし、そもそもなぜ歯がきれいに並ばないのか疑問に感じたことはありませんか?見た目は治してもその原因を突き止めて直さないと真に歯列矯正治療が終わったとは言えません。現に歯列矯正治療をしてから体調が悪い、噛めなくなったという患者さんも多いです。本当は抜かなくてもよかった歯を抜いているかもしれません。もし、歯列矯正治療をしたいけど、歯を抜く必要があると言われて迷っている方はぜひこの続きを読んでみてください。


本当の歯列矯正治療とは?

 当院で行っている歯列矯正治療では、まずCT画像を見て顎の位置を三次元的に確認することから始まります。現在顎の位置はどこにあるのか、正しい位置にあるのか、右前にずれてるのか、左後ろにずれてるのかなどを確認して、顎が正しい位置で噛めるように誘導するのです。なぜなら顎が正しい位置になければ、上の歯が出ているのか、下の歯が出ているのかなどの正しい判断ができないからです。

 つまり、正しい歯列矯正治療とは顎の位置を正しい位置に動かしてから初めて行えるものなのです。顎の位置を正しい位置に動かしてない状況で歯列だけ綺麗に並べてもしっかり噛むことができず、体調不良や治しても噛めないという不調につながってくるのです。


顎の位置を調整するとは?

 先ほどの説明では顎の位置を正しい位置に誘導すると言いましたが、具体的にどのようにやっていくかを説明していきます。

まず例を挙げると、三次元的に顎の位置を見て、正面では右が上に傾いていて(レントゲンの正面は鏡と同じなので実際は左の顎が上に傾いています)、横からでは後ろが上に傾いている場合、左奥歯の高さが低いことにより、顎の位置がずれていることが分かります。そのため、あえて左の奥歯のかみ合わせを高くすることで顎の位置を調整していきます。最初はあえて高くしているため浮いているように噛んでしまいますが、徐々にそこで噛んでも違和感がないように筋肉が緩んできたり、骨の歪みが修正されていきます。顎の骨の歪みが治ることにより、顎の傾きを治っていき、正しい位置で噛めるように調整していきます。

 ここで知っていてほしいことは顎の位置がずれているということは顎の骨の問題だけではなく、顎の骨についている筋肉の問題でもあるということです。


顎の位置で体調が変わる!?

 顎の位置を正しい位置に変えていく過程で体に様々な変化が起こっていきます。顎のずれによって骨がゆがみ、体調がよくなかったことが徐々に治っていきます。例として挙げると、息苦しさや食欲不振、腰痛や便秘など様々な原因不明の体調不良が治ります。なぜ、ここまで顎の位置が体調にかかわるのか?

 それは、噛むという行為が私たちの日常生活においてとても大切な行為であるとともに、顎の位置によって脳への栄養が滞ってしまうからです。

 私たちは噛むという行為と切っても切り離せない関係にあります。ご飯を食べるときはもちろんですが、力を入れて踏ん張る時、ストレスを感じた時も無意識に歯を食いしばっています。そんな力を入れてるときに顎が曲がっていたらどうでしょうか?変な方向に力がかかって力が入らないうえに、体のバランスも崩れていると思いませんか?それが原因不明の体調不良を起こすきっかけとなっているのです。

 また、顎の骨は頭の骨の中で一番大きい骨です。その骨がずれていたらどうでしょうか?当然頭のほかの骨にも影響が出ると思いませんか?顎の骨の位置がずれることによって脊髄が入っている脊椎という骨も歪んできます。脊髄からは脳への栄養を運ぶという役割もありますので、骨がゆがむと栄養供給が滞ります。それにより、思考が鮮明に働かない、なぜか体調が悪いなどの不調を引き起こします。

このように顎の骨の位置のずれは大きく体全体と密接な関係にあるのです。


ブラケットでも歯列矯正治療は変わる?

 顎の位置が正しい位置に誘導できたら、次は歯列矯正治療に入っていきます。この時点で歯が並んでいない原因が分かってきます。例えば、下の顎が後ろに引っ込んでいたために、上の歯に合わせようとした歯が通常よりも斜め前に生えてきてしまっていて、下の前歯のスペースがなかったなどが考えられます。つまり、下の歯を起こしてあげるように歯列矯正を行ってあげれば、歯を抜かなくても歯がきれいに並ぶことになります。これが正しい歯列矯正治療です。

 当院では、歯列矯正治療に用いるブラケットをデーモンという会社のものを用いています。デーモン社製のブラケットはワイヤーをしっかりつかみ、ゴムなどがしっかりかけやすくなっています。ワイヤーをつかむ力が弱いと、ワイヤーの取り外しの簡易化や患者さまのワイヤーをかけた時の痛みは少なくなりますが、その分歯は動きにくく、歯列矯正治療には向いていません。また、通常のブラケットとは違い、歯によって形が全く違います。なぜなら、歯によって最終的に歯が並んだ時の歯の向きや方向は全く違うからです。最終的にワイヤーのアーチが歯列にしっかり反映されるように考えられて作られているのです。

 そのため、ブラケットやワイヤーでも歯列矯正治療の進行しやすさや、治りやすさは全然変わってしまうのです。


ストレートワイヤー法とは?

 一般的な矯正歯科の先生はワイヤーをブラケットにかかるように曲げながら治療を進めていきます。そのため、曲げるのがうまい先生と下手な先生とで矯正がうまくいくかどうかが変わっていきます。しかし、歯が動いてくるとワイヤーが曲がっているため適切な矯正力がかからなくなり、そのたびに曲げ直していきます。

 当院で行っている矯正ではストレートワイヤー法というものを用いていて、弾力にとんだ形状記憶合金を用いたワイヤーを用いることによってワイヤーを曲げずに矯正を行っていきます。ワイヤーを曲げずに行うことで、ワイヤーを付け替えるまで矯正力がかかり続ける上に歯列が理想的な歯列へ動き続けます。

 しかし、通常のブラケットを用いた方法でストレートワイヤー法を用いてもうまく矯正が進みません。ここで重要になってくるのが当院で用いているインダイレクト法という特殊な方法でブラケットを装着することとデーモン社のブラケットなのです。


インダイレクト法とは?

 先ほど出てきたインダイレクト法について説明していきます。インダイレクト法とはブラケットの位置を正しい位置に装着するために行う方法です。模型にブラケットを正しい位置に装着し、その状態をプラスチックの板で固定します。それを口腔内で装着することで正しい位置にブラケットを装着することができるのです。

 一般的な矯正では口腔内で目で見てブラケットを装着しますが、その方法では正しい位置に装着するのは不可能といっても過言ではありません。なぜなら、矯正のブラケットの正しい位置は250ミクロン(0.25㎜)ずれるだけでも全くうまくいかなくなってしますからです。そのため、しっかり位置が確認できる模型でブラケットを装着する必要があります。特にデーモン社製のブラケットは一つ一つ形が異なるため、目視では正しい位置につけられたと思っていても実は向きが微妙に違っているということが起こりやすくなってしまっています。

 また、口の中で見ただけだと歯がどの方向に生えているかが非常にわかりづらいです。最終的には歯の方向まできれいに並べないといけないため、歯が倒れているのにブラケットはまっすぐにつけてしまうと、歯が倒れて並んでしまいます。