鏡を見て、何か自分の顔の見た目が何か変と思ったことに気が付いたことはないでしょうか?
顔の見た目は、下顎の位置がずれていたり、上の顎の形が自体が歪むことで起こることをご存知でしょうか?
実は噛み合わせが悪いことで顔のバランスや見た目が変になることがよくあるのです。
歯列矯正をお受けになる方のほとんどが、歯がガタガタ、出っ歯、受け口、といったことが主な理由だと思います。
しかし、歯列矯正の治療で最も素晴らしい効果が期待できるのは、このような歪みの原因である噛み合わせを治せるということなのです。
矯正治療を受け、歯並びもよくなり、出っ歯でも受け口でもなくなったのに、「顔の感じがなんとなく変」であったり「顎や体調不良(顎関節症)がある」のは、歯の見た目と歯違う噛み合わせの悪さに原因があるからなのです。
噛み合わせは、上下の奥歯の位置関係で決まってしまうため、正しい噛み合わせにするためには奥歯の高さを適切にする、歯列矯正を行う必要があります。
そのためには特殊な矯正法が必要です。
通常の歯列矯正では、上下の奥歯の高さは変化させません。
しかし、例えば上の奥歯の高さが低いと、噛み合わせの面は斜めになり、下顎が後ろに下がり、横から見た顎の角度が急になります。
このような急角度の顎の状態を「ハイアングル」(下の写真左)といいます。
ハイアングルの患者さんは、一般的に噛む力が弱く、顎関節症を発症しやすい傾向があります。これは噛むための筋肉である咬筋が斜めに力をかけなければならないからです。
下のレントゲンは横から見たレントゲンで、左がハイアングル、右がローアングルです。

ハイアングルの人は顎が奥に入りやすく、顎が奥に入ると首周りの筋肉が緊張しやすくなり、筋肉の緊張によって頚椎の形態が変化して、呼吸に問題が起きてきます。このような人は二重顎になりやすいです。
片方の奥歯だけ低くなると、顎が左右的に曲がります。こうなると単純ではない様々な体調不良が出てきます。
筋肉は常に短い状態でストレスをかけ続けられると、緊張しやすくなり、筋肉が固まった状態になります。これがえらが張っているように見える理由なのです。

左は奥歯も前歯も低い噛み合わせ、右は左右で高さが違う噛み合わせです。
噛み合せのバランスが悪いと、顎が歪んで見えるだけでなく、顔が左右非対称に見えたり、エラが強く張ってきたりします。
エラが張る原因は、噛み合わせが低いケースで、顎の筋肉が常にある程度収縮している状態で噛んでいるため、噛み締めが強くなりやすくなります。
これはスポーツなどでこむらがえしを起こしたとき、筋肉を引っ張ると治ることなどから理解できると思います。
筋肉は常に短い状態でストレスをかけ続けられると、緊張しやすくなり、筋肉が固まった状態になります。これがえらが張っているように見える理由なのです。