矯正で顎を治療する着想を得る


①顎関節症は不具合が全身に及ぶ


顎関節症とは、はじめに顎の疲れや痛みそして違和感、やがて顎関節のクリック音や顎関節の痛みが起こります。


酷くなると、肩と首の凝り、さらには首と肩に異常な重さ感じるようになります。

さらに影響が波及すると、お腹に突然絞り上げるように痛みが出る、手が痺れる、疲れやすくなる、などの症状が現れます。

最後は、集中できない、やる気が出ない、思考がまとまらない、身体中がだるいといった鬱病に近い症状まで出できます。

症状が顎だけとは限らないため、原因が噛み合わせと気づかず発見が遅れたり、原因とは異なるアプローチをしたために発見と治療が遅れ重症化してしまうケースも多いのです


②顎関節症とは気づかなかった自分


実は私も顎関節症による心身の重篤な症状に悩まされていました。当時は噛み合わせが原因とは気づかず、最初は内科だら血液検査を受け薬を処方してもらいました。


胃腸薬は多少効果があったもののやがて効き目が薄れてきました。他の薬は副作用が怖いものばかりで、内科が全く当てにならないと気がつき、薬局で酵素や酵母、ニンニクを使ったもの、やたらと臭い民間薬を試しましたが、目立った効果はありませんでした。


身体中も凝りが酷く、最後は肉離れをおこし、たまたま柔術の免許を持った先生に整体を受けると、今までの治療の中で最も効果がありました。


施術をうけるうちに身体は徐々に楽になって来ました。しかし日常の歯科治療での負担が大きく、身体が悪化しないよう何年も通い続けることになりました。


3年ほどした頃、私の医院では深刻な問題を抱えていました。

当時当院ではミクロン単位の正確なブラケット装着ができる技術が不足していました。矯正では、感覚が鋭敏な人の場合、僅かな歯の高さがズレているだけで噛み合わせが決まらなくなり、なかなか治療が終わらなくなります


私の医院には敏感な患者さんが集まっていて、終了することができない矯正患者さんを沢山抱えて困り果てていました。


③白須賀法との出逢い


そんな時、2,008年に当時完成したばかりの白須賀法という正確なブラケット装着法に出逢い、白須賀先生に直接技術を教わるチャンスに恵まれました。


学び終わると直ぐにこの方法で今まで足踏み状態だった矯正患者さん全員のブラケットを装着し直すと、みるみる顎の位置が決まり、歯が噛み合って治療が終了していきました。


矯正後に全身症状を伴うトラブルが起こることが少なくないことを知っていた私は、白須賀法を習得することで、トラブルが原因の一つを理解しました。


比較的敏感な体質だった私は、自分の矯正を始めるのは躊躇していたのですが、この方法なら大丈夫だと手応えを得て早速矯正を始めたのです。

④矯正で顎が動き体調に変化が!


ブラケットを装着し、矯正を始めると長年の整体やマッサージで身体が緩んでいたおかげか直ぐに顎の位置が前に移動し始めました。


驚いたことにそれと同時に首と肩のコリ、首と肩にあった異常な重さが嘘のように消え、身体の柔軟性が増しました。


その時初めて私の辛かった症状は顎の位置にあったことに気づいたのです。


⑤顎の位置を治す方法を確立


治療を進めるうち、身体とバランスの取れる顎の位置が自分で分かってきたのでので、その位置で上下の歯を噛み合わせよう試行錯誤が始まりました。


自分の治療をしてみて分かったのですが、顎の位置と身体のバランスを整え、顎の位置が決まるまでは時間がかかり、顎の位置を変えると全身の骨格が変化してしまい、それに合わせてまた顎の位置が移動するというバランス調整の繰り返しが必要でした


最終的に全身の骨格が整い、顎の位置が決まるまでに2年以上かかり、その位置で噛み合わせを作ることが出来ました。


⑥顎が治るとさらに驚く変化が


カラダと顎のバランスが不均衡になっていると全身が歪み筋肉が緊張して筋肉に挟まれている神経と血管が圧迫され、神経伝達機構、循環作用が乱されます。

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顎の位置を治すことで全身の筋肉の緊張が無くなり全身の骨格が整うだけでなく、筋肉の圧迫から神経と血管が解放され神経伝達機構と循環機能が正常になります。


実は治療前私は子供とテーマパークや遊園地、動物園に行くと直ぐに座る場所を探していました。


姿勢は猫背で身体は重く、脚を持ち上げながら歩くの感覚で足取りは重くとても疲れやすかったのです。


ところが治療後は姿勢が変わり腰の上に上半身がしっかりとはまり、まるで腰で歩きそれに脚が勝手に付いてくる感覚で歩けるようになりました。


これは顎の位置を治したことで筋肉が緩み全身の骨格が整って身体に負担のかからない姿勢を自然に取れるようになったからでした。


持久力と集中力が上がり、疲れても寝ると直ぐ回復するようになり、治療中の集中力アップと治療後の回復が早くなりました。


これは、筋肉が緩み神経伝達機構と循環機能が回復したからです。


⑦顎の治療と中枢神経機構


全身の骨格が整うと、脊髄管の通っている頚椎などの椎骨の配列が整います。


脊髄管には脳に繋がる脊椎神経繊維と周りには脊髄液が流れています。椎骨の配列が整うことで脊椎官の歪みがなくなり、脳脊髄液の流れがが良くなり脳内の脊髄液の循環な改善して中枢神経の機能が整います。


治療後、歳による衰えを感じていた頭の回転が回復してアイデアが湧きやすくなり、味覚や嗅覚も鋭くなりました。


落ち込むと,なかなか立ち直れなかった意識も回復が早くなり、治療や医院の効率化、スタッフの負担軽減などのアイデアが出やすくなったのです。


⑧身体は良くなったのに!


私は、身体が良くなり顎の治療法も確立したおかげて何の問題もなく治療に望むことができると考えていました。


ところがある日診療で疲れて帰宅し、お風呂と食事を済ませて床に着いたのですが、脳が興奮状態で寝付くことができません。更に理由のわからない不安

感に襲われました。


そんな日が何日も続きさらに難症例を抱え、私はエネルギー的に疲れ果てていました。

気力が失われ、身体のネジを巻いて欲しくなるような、生命エネルギーの枯渇を感じるようになりました。


私はもう病院を閉院して療養に入るしかないと思いました。

⑨東洋医学との出逢い


しかし、こんな症状でも治してくれるところがきっとあるはずだと、ネットで調べると私にあった症状を医療気功で治せることを知りました。


そこで施術を受けると、パンパンになっていた頭が緩み、徐々にクリアになってきました。不安感も取れ夜もグッスリ眠れるようになったのです。


そこの施術院では東洋医学の鍼灸や中国整体のスイナを紹介したり、気功術や漢方、薬膳の指導もしていました。

私は自分で行う内気功のコースを受けたのち、すぐに相手に気を送って治す医療気功法のコースを受け半年かけてを習得しました。


その後独学を含め8年かけてあらゆる東洋医学の技術を学びました。


東洋医学を学ぶうち、顎関節症のような多種多様な症状が出る疾患は顎と身体の不均衡による全身の歪みだけで起こるのではなく、それと同時に歯と顎に溜まったストレスエネルギーが生命エネルギーである気に影響を与えたことも大きな原因であると知ったのです。



⑩東洋医学と顎関節症


東洋医学では経絡という「気」(生命エネルギー)の通り道があります。経絡上にはエネルギーが出入りするするポイントをツボが300以上存在しています。


経絡は目には見えませんが、線路のように全身に張り巡らされています。


経絡は全身で12本程あり五臓六腑※の機能を司ると考えられています。そのうち頭頸部に8本の経絡が流れていて、頭部や首周りに異常が起きるとこれらの経絡が影響を受けます。


私は、顎関節症で顎とは全く関連性のない全身の不調が起こるのは、歯や顎にかかったストレスエネルギーがこの8本の経絡を遮断したことが原因であると考えています。


五臓六腑の名前が各経絡に付いており、名前から遮断されて起こる症状も決まります。


つまりどの経絡がストレスによって遮断されたかが分かれば、たとえ顎と全く関連性が内容に見える症状でも、東洋医学的な診断によって容易に治療を行うことができるのです。