ブラケットの位置づけの重要性

①ブラケットの位置とは

歯列矯正で装着するブラケットは非常に緻密に作られています。

歯のどの位置に装着するかで治療結果は大きく変わってきます。
ブラケットの位置や高さは僅か250ミクロンの狂っただけで、いつまでもかみ合わなかったり、噛み合わせが分からなくなるなどの問題が起こります。


ブラケットの装着の精度が歯列矯正の結果のほとんどを決めると言えるのです。

ブラケットを確実に位置づけする方法は2008年頃に日本人で東京歯科大学の白須賀直樹先生が白須賀法として完成させました。

番町D.C.ではその方法を採用し、確実にブラケットの位置決めをし、インダイレクト法*(模型上でブラケットを確実に仮付けし、その位置を正確に歯に移し替えてゆく方法)で治療を行っています。

番町D.C.では白須賀先生から直伝されたインダイレクトテクニックを使って院長がブラケットを正確な位置づけるトレーを作成しています。

技工手順(インダイレクトトレーの作成)
ブラケット装着前に患者さまの歯の模型を採得、分離材を塗って模型を乾燥させます。

ゲージ(白須賀ゲージ・・下)を使って正確な位置にブラケットを模型上に糊で仮付けします。

上 白須賀ゲージ・・ブラケットを位置決めするための機器

歯の倒れとねじれを見分け、白須賀ゲージで正確な位置、高さを決めてゆきます。


何度もチェックした後、専用の透明シリコンとバイオスターを用いて「ブラケット装着用トレー」を製作します。


患者さんの口に装着します。
精度が高く装着された場合、ブラケットのつけ直しは殆どありません。治療時間患者さんの負担が格段に減ります。

ブラケットを装着し、トレーを取り除きます。

ブラケットをいかに正確に装着するかで矯正の仕上がりがまったく違ってくるのです。

ブラケットの位置づけについてはこちらもご参照ください。

 

トレーを使わない「ダイレクト法」ではフリーハンドでブラケット装着を行いますが、非常に熟練が必要であることと、どうしても付け直しが多くなってしまうので、私の個人てき見解では治療の効率は下がるのではないかと思っています。

このページは2025年06月15日に更新されました。

歯列矯正中に「ブラケットの位置が不自然?」と思った経験はありませんか?
正確な位置にブラケットが着くと、歯科医でなくても「自然で美しく」感じます。
そして、治療を受ける側も「歯の動きたい方向に力がかかっている感覚があり、スムーズに歯列矯正が進みますす。

皆さんはブラケットの位置はどのくらいの精度でつける必要があるかご存じでしょうか?
たった250ミクロン(0.25mm)ブラケットの位置が狂っただけでも上下の歯は全く噛まなくほど、ブラケット装着は正確さが要求されるのです。


(正確に着けられたブラケット・・正確なブラケット装着法とは?)
ブラケットの位置決めは歯列矯正治療の中で最も重要な作業といえます。

正しい位置に装着されないと、歯が並んできでも、歯が均等に接触しないので噛み合わせが不安定になり、*不定愁訴の原因になることがありますす。

*不定愁訴・・医療機関で検査をしても本人が訴えるような症状の原因となる病気が見つからず、明確な診断を下せない状態を指す。
歯列矯正のリスクを避ける動画はこちら
歯で起こる不定愁訴

ブラケット位置が正確であれば、患者さんの負担は減り治療が早く終わります。
位置が正しいかどうかは、歯が並んできて歯の段差が目立つようになってきてはじめてわかってきます。
適切でない位置でない歯のブラケットは付け直しが必要になりますが、その回数は少ない方が患者さん側にも歯科医側にもメリットがあるといえます。

現在使われているブラケットは歯の部位ごとに精密な設計がされており、臨床歯冠(歯の根元から歯のてっぺんまでの長さ)の、ほぼ中央にブラケットの高さを合わせる必要があります。しかし、歯によっては歯ぐきの位置が下がっていたり、逆に歯ぐきの位置が上にある場合もあり、歯の状態によって決めかねるという事実がありました。

臨床歯冠(歯の根元から歯のてっぺんまでの長さ)のほぼ中央というあいまいな定義だったブラケット装着位置も20年ほど前に東京歯科大学出身の臨床家である白須賀先生が開発し、公開した「白須賀法」によって、咬頭頂(歯のてっぺんの部分)から、歯ごとに0.25mm単位で正確にブラケットを装着する位置を決めるという技術へと発展しました。

私共は、この技術を歯列矯正のブラケット装着時のルーティーン作業として必ず行っています。

白須賀法では患者の模型を使ってブラケットの位置決めをし、模型上でブラケット装着用トレーを上の歯用と下の歯用に1組作成します。

模型上でトレーを作成する理由は、口の中で直接ブラケットを装着するよりも、あらゆる方向からブラケットの位置を確認できるからです。

詳しい装着法についてはこちらのブログをご覧ください。

歯に直接目分量でブラケットを装着する場合、お口の中は狭く、特に奥歯では、ブラケットの位置を確認するのはとても難しい作業といえます。

白須賀法では、250ミクロン単位で高さをチェックできる専用のゲージを使って歯に直接しるしをつけて確認することもできるため、どうしても口の中でブラケットを再装着しなければならない場合も確認しやすいといえます。

上は白須賀ゲージ

ブラケットは歯ごとに装着する位置に法則性があり、前歯から奥歯まで、咬頭頂(歯のてっぺんの位置)からの高さは歯の部位で異なり、歯ごとの高さの差は誰でも一緒になっています。

これは、咬頭頂(歯のてっぺんの位置)から、歯中心窩(相手の咬頭頂が噛みこむ場所)までの高さが、歯ごとに違っているからです。

その法則から250㎛(250ミクロン・・約1/4mm)以上外れて高さにブラケットが装着されてしまうと、「噛めなくなったり」、「顎関節症(全身の不調も含む)を引き起こしたり」するので、ブラケット装着は歯列矯正の成否を決めるほど重要な作業といえます。

また、はじめに、歯ぐきから上の歯の高さのほぼ中央にブラケットを装着すべきと書きました。

現在主流であるでストレートワイヤー法のブラケットは、ちょうど歯の中央当たりの歯の膨らみに合わせてブラケットの接着面が設計されているため、歯の切端(歯のてっぺんの位置)寄りや、歯頚部より(歯の根元の位置)に装着されると、接着面の形状が合わず、場合によっては歯が内側に倒れたり、外側に倒れたりして、正しい噛み合わせにならなくなることがあるので、ブラケットの装着位置の見た目が不自然な場合は、注意が必要です。

最近では、CAD/CAMシステムで、歯の模型を3次元で読み取り、それをコンピューター上で理想的に歯がかみ合うシュミレーションを作れるようになってきました。

このシュミレーションを使ってブラケットを装着するトレーを作成するというものです。

この方法には「トレーの製作に1月以上かかる」、「万が一ブラケットが外れてしまうと、同じトレーで正確にブラケットの再装着することが難しい」そして、「ブラケットの位置決めに基準がないため、このトレー以外でブラケットの位置決めをすることが難しい」という問題があり、あまり普及していないようです。

やはりブラケット装着は、地道に先生が訓練をしながら白須賀法を使ってインダイレクトトレーを使うのが最も安全な方法と言えるでしょう。
私共の医院では、白須賀法を使うようになってから、ブラケットの付け直しは1/10以下に減り、患者さんの負担も減りました。

このように矯正のブラケット装着にも知られざる技術の話があるのです。

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矯正では全身の診断が重要で。イメージ03

 

治療を継続すべきか、やり直しをするかの相談も受けることもあります。
ブラケットの位置を一瞬観ただけで驚くこともあります。「ブラケットの着いている位置があまりに不自然」だからです。

ブラケットを正確に着ける難しさを知っている先生は「マウスピース矯正」を導入します。しかしこれが大変なトラブルを生んでいることは業界内では有名です。

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