· 

私の考える国民皆保険制度の矛盾

皆保険制度の限界

 日本は1961年に国民皆保険制度が成立し、65年近くの年数が経過しています。

 

戦後の日本が貧しく、治療を受けることすらなかなかできなかった当時としては、万民が同じレベルの治療をあまねく受けることができるとても良い制度だったのでしょう。

 

しかし、ここ20年から30年は私の見る限り、ほとんどが対症療法で、病気の原因が本当に治っているか怪しいと考えています。(実際の私の体験についてのブログはこちら

 

医療費は今や48兆円まで膨れ上がっていて、むしろ経済的な弊害の方が多い制度になっていて、今後変わってゆかなければいけないと思います。

 

保険制度では、治療法や点数が細かく決まっていて、それに決まった点数が付く仕組みになっています。

また病名が付かないと保険請求ができないため、医科ではどんどん病名が増えてゆくと同時に、保険の請求金額もどんどん増えていきました。

 


保険制度を審美歯科

私が歯科医院で働いているとき、良心的な先生は、点数がなかなか上がらないで苦しんでいました。

 

一方、保険でも荒稼ぎしている先生はどうやって高額の点数を稼ぐかの智慧を働かせて、作業内容から考えて最も点数の効率が高い治療を行うように経営をします、医療人でありながら経営が第一で、患者さんの健康は二の次といった考え方です。

 

例えば、普通奥歯の歯の治療は金属を使った治療が良好な経過が保証され最も良い治療法です。

しかし金属を使った治療には金属材料や、技工料など時間とコストがかかります。

 

 

一方噛み合わせの面にレジンのような樹脂を使った治療は、以前は制限がありましたが、どんどん取り入れられるようになってきました、材料費や治療の手間の割に保険点数が高く、見た目も白いです。

 

しかし、実際はレジンは吸水性や重合収縮など材料としては奥歯には使ってよいという十分な強度を持っていません

 

保険の診療では、中々十分な説明をする時間もなく、患者さんも意識が低くて見た目が良い方がいいんじゃないかと考えてレジンを積極的に選ぶケースが多く、審美治療は本来のあるべき治療を凌駕してしまいました。

 

 

 

 患者さんにとっての健康のメリットを考慮した治療を行っている先生にとっては、きちんと説明までして、患者さんにプラスにやるようにすればするほど経済的マイナスの影響が大きくなり、美容面を訴える先生の方が材料費、技工料を節約して儲かる仕組みなっているわけです。

 

 

そこでコストをカットできる、レジン修復や、レジンクラウンなどの利益の出やすいものを保険制度に取り入れましたが、歯科医にとっては経営にプラスになりますが、患者さんの健康にプラスになるものではありません。

審美性は高いですが、本来保険制度は健康を維持する為の治療をあまねく国民が受けることができるという趣旨で

出来ている制度なので、審美性を求めること自体が矛盾しているのです。

 

歯科の保険点数は、あまりに評価が低すぎ、グローバルスタンダードでのれてるの治療を行える金額ではありません。

 

それを無理やり皆保険制度でやらせているために、日本全体の歯科医療のレベルが世界標準と乖離していることと歯科医やパラデンティストの職場環境や経営環境を低下させています。

 

 

歯科医院によっては、審美歯科や、美容といった、治療とは言えない分野で稼ごうとするため、本来的な治療は低レベルなまま、治療になっていない審美歯科治療が増えるといった歯科医療の歪が起きているのです。

卒業後すぐアルバイトを始める

私は1991年に歯科大学を卒業しました。その年にはすぐにアルバイト先を紹介してもらい、アルバイトで歯科治療を始めましたが、大学で習った治療とはかけ離れた治療だったことに愕然としました。

 

当時は患者さんの数は30人近く診療しなければならないし、当時の歯科大学で習った基本の治療法を使うほど暇ではなく、いわゆるやっつけ仕事をこなしている印象でした。

 

大学院時代には、本当の歯科治療の技術を勉強したいと当時の東京医科歯科大学(現東京科学大学)でいろんな先生を見て回りましたが、当時「本当の歯の治療だ!」と思える治療をしている先生に国内では出逢うことは結局ありませんでした。

 

そして悶々としながら大学院でマウスの研究をしているときに、転機が訪れました。


偶然にもアメリカの大学と大学院を卒業された先生に出逢えたのです。

 

「治療を見せてやるから、週一回手伝いに来い」そう言われて、当時高額のバイト料を貰っていた歯科医院アルバイトを辞めて、見学を始めてみると、日本の治療のあらゆる点が全おかしいということに気が付きました。