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麻酔で「気持ち悪い」、「効きにくい」がなくなる方法

この記事では歯科麻酔についての疑問についてわかり易く解説してゆこうと思います。

この記事を読むことで、「麻酔で気分が悪くなるのはなぜ?」「麻酔の効きが悪いのはなぜ?」などの麻酔に関する疑問が無くなります。

 

このような麻酔に対する知識があれば敏感な体質の方が歯医者さん選びの参考になるうえ、歯医者さんに麻酔時にお願いをすることもできます。

 

番町D.C.には敏感体質な患者さんがたくさん訪れ、他の医院で麻酔で気持ち悪くなったり、場合によっては戻してしまったりした経験のある方が多いです。・

 

敏感体質で、麻酔注射に恐怖のある患者さんは是非この記事を参考になさってください。

 

①.麻酔で気分が悪くなるのはなぜ?

②.麻酔の効きが悪いのはなぜ?

③.麻酔の打ち方で効果は変わる?

①.麻酔で気分が悪くなるのはなぜ?

麻酔で気分が悪くなることがあります。それには大きく分けて2つ理由があります。

 

1,麻酔薬が体質に合っていない

実は麻酔薬は劇薬にあたるほど重要な薬剤です。

 

歯科用の麻酔薬は多種多様のものがメーカーから出されているため、中に入っている成分もいろいろ違っています、体質に合った麻酔薬を使う必要があるのです。

 

番町D.C.で麻酔中に気持ち悪くなったのはほとんど同じ麻酔薬で、麻酔薬中の保存材が体に対して悪影響を与えていることが分かったことがありました。

 

そのような経験から、麻酔薬には反応の起こりにくかった「キシロカインカートリッジ」を使用しています。この麻酔薬で気分が悪くなる方はとても少ないです。

 

歯科治療では体のほかの部位に使用する麻酔薬と異なり、「アドレナリン(エピネフリン)」という血管収縮剤が高い濃度で配合されています。

 

口腔内は血液循環が豊富で薬剤がすぐに代謝されてしまうことと、歯の神経が骨の深い中を通っているために、麻酔薬が注入された場所にできるだけ長くとどまっている必要があるからです。

「エピネフリン」とは興奮したときに放出されるホルモンで、心拍数や血圧を上昇させる作用があります。従って、麻酔を打たれたときのドキドキ感はエピネフリンの影響と考えてよいでしょう。

 

敏感で気分が悪くなる患者さんの場合、「シタネストオクタプレシンカートリッジ」というアドレナリンの代わりに「フェリプレシン」という心臓に直接作用せず、末梢血管のみを収縮させるタイプの血管収縮剤が配合された麻酔薬を使うことがあります。ただし麻酔の効きはエピネフリン含有のものよりやや劣ります。

 

2,医院の環境や患者さんの体調が原因

歯科医院では沢山の歯の痛みや不具合を持った患者さんが来院されます。

 

病院はこのような患者さんが訪れることで院内の環境レベルはどんどん悪くなってゆきます。

 

敏感な患者さんの場合、環境の悪い院内に入っただけですでに緊張が始まり、気分が悪くなる準備が整ってしまいます。

 

そこにアドレナリンなどのホルモン物質が加わることが相乗効果となって気分が悪くなってしまうことがあります。

 

また寝不足や過労など、身体にストレスがかかっている状態で麻酔や治療を受けると、身体の余力がないために気分が悪くなりやすいです。

 

歯科治療はほとんどすべてが外科手術ですから、治療に際しても無理のないスケジュールを組む必要があるのです。

 

 

 

②.麻酔の効きが悪いのはなぜ?

麻酔の効きが悪い原因としては次の2つが考えられます。

 

1,身体の調子や、歯の状態が悪い

「寝不足や、ストレス過多」など体調不良では麻酔が効きにくくなるリスクが高くなります。

 

その場合、「噛みしめ、歯ぎしり」などで歯にも大きなダメージがかかっていることが多く、歯が敏感になって麻酔は効きにくくなります。

 

2,過去の治療に使われた材料や治療法によるもの

歯に充填された材料が影響して麻酔が効きにくいケースもあります。

 

「神経に近いレジン(樹脂)充填の際、覆罩処置をされていなかった場合」や「ユージノールセメントなどの神経鈍麻材やサホライドなどの齲蝕抑制剤で処置をされた」歯で麻酔が非常に効きにくくなるケースがあります。

 

③.麻酔の打ち方で効果は変わりますか?

麻酔を効果的に効かせるには技術が必要です。上の歯は骨が海綿状になっており麻酔薬が浸透しやすいため、浸潤麻酔(骨の周りから骨の中に浸透させる麻酔)でも十分効果が得られます。

 

しかし、下顎は皮質骨(下顎の表面の骨)が厚く緻密で、歯は骨の真ん中から神経や血液の供給を受けているため浸潤麻酔は効きにくくなります。

 

下顎では深い虫歯の場合は「伝達麻酔」を使うと効果的です。

 

 

伝達麻酔とは、下顎の痛覚を司る三叉神経の枝である下顎神経をすべて麻痺させることによって下顎の半分を完全に麻痺させる方法で、下顎孔という下顎神経が骨に入る入り口に麻酔薬を正確に送り込まなければならないため、高度な技術が必要とされます。

 

 

伝達麻酔は深い麻酔効果を得られるため、患者さんの恐怖も減って安心して治療が受けれるわけです。