本物の噛み合わせ診断とは?

歯列矯正を確実に成功させ、健康な体を守るためには「正しい診断」が不可欠です。しかし、現在の矯正治療における診断には、見過ごせない大きな課題があります。

模型診断セファロ分析の信頼性

・噛み合わせ診断・CT診断

全顎マウスピース矯正治療のリスク


模型診断

模型診断の真実:並行模型と半調節性咬合器

一般的に多くの矯正歯科で用いられる「並行模型(※1)」では、実は正確な顎の状態を診断することはできません。

  • 並行模型の限界: 歯並びの見た目を整えるための基準にはなりますが、実際の「顔や顎の骨格と歯列」との関係や「顎の関節」との位置関係までは再現されていません。

  • 半調節性咬合器(※2)の必要性: 解剖学的な上顎と顎関節の正しい関係を再現できる装置です。これを用いた診断こそが、骨格や下顎の歪みを把握し、適切な治療計画を立てるための唯一の手段です。

スタートを間違えれば、ゴールには辿り着けない

診断は治療のスタート地点です。スタートが数ミリずれているだけで、最終的なゴール(健康な噛み合わせ)には絶対に辿り着けません。

 

残念ながら、現在の歯科教育現場において、このような精密な顎の診断を教える場は皆無に等しいのが現状です。

 

矯正後の「原因不明の不調」を防ぐために

不正確な診断のまま治療を進めると、見た目は綺麗になっても、顎の位置のズレから全身の健康に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

「矯正後に原因不明の体調不良に悩まされる」という方が後を絶たないのは、この診断プロセスの欠如に一因があると考えています。


左が並行模型、右が半調節性咬合器に装着された模型です。(同じ患者さんではありません)

左はよく見かける並行模型、右は骨格と口の状態を正確に示した半t尿説咬合器による模型

なぜ、当院は「半調節性咬合器」での診断にこだわるのか 正確な歯列矯正のゴールは、見た目の美しさだけでなく、骨格と調和した機能的な噛み合わせにあります。

  • 解剖学的な位置関係を再現: 半調節性咬合器を使用することで、頭蓋骨に対する上顎の位置や、顎関節の動きを精密に再現できます。

  • 上顎骨の変形への対応: 症例写真(右側)に見られるような上顎骨の変形は、通常の模型診断では判別が困難です。しかし、この装置を用いることで「骨格の歪みをどう修正すべきか」という、治療の核心に迫る診断が可能となります。

並行模型は、左右の顎の変形がない場合の診断は間違っていない

並行模型では、顎に左右差がない場合は、診断に大きな問題は起こりません。

左右的な3次元的歪は並行模型では診断できない。

しかし、顎が左右に歪んでいても、並行模型では正確な診断出来ず、治療計画に歪みの修正を入れることができません。


咬合平面に起きている問題も並行模型では診断できません。

通常咬合平面はフランクフルト平面と並行に近いです。

正常な咬合平面では問題がない。

咬合平面の異常

顎の位置を決め、体調をも左右する「噛み合わせの面(咬合平面)」 「咬合平面」とは、上下の歯が接する面のこと。この面の角度が正常(フランクフルト平面とほぼ平行)であるかどうかは、全身の健康を左右する極めて重要なポイントです。

  • 顎の「後退」を防ぐ治療: 咬合平面の異常を放置すると、下顎が後ろに下がり続け、気道を狭めたり自律神経を乱したりする原因となります。

  • 根本からの体調改善: 歯を並べるだけでなく、咬合平面そのものを治すことで、顎の「後退」が解消されます。これにより、驚くほど体調が良くなる患者様を私たちは多く見てきました。

咬合平面をどう変えれば人生が変わるのか。その理論の詳細は、ぜひこちら(作成中)をご覧ください。

 

歯列矯正では、左右の歪だけでなく、咬合平面の歪を正しく診断し、治療を行う必要があるのです。

咬合平面と不正咬合の関係については、別途(作成中)解説します。


出っ歯では咬合平面が後ろ上がりになっているケースが多い

出っ歯の人は通常咬合平面が後ろ上がりになっています。

 

これが顎を後ろに下げてしまう原因でもあり、正しく治すのであれば咬合平面も治すべきです。


セファロ診断

(当院はセファロ分析は致しません)


セファロ分析の信頼性
治療を必要とする患者さんの分析をもしセファロで行うなら、顎の位置のズレを検討する必要があります。
 
顎のズレを考慮せずセファロの分析の数値だけで抜歯、非抜歯を決めたり、治療診断や治療計画を立てることは、不正確な治療につながるからです。
 
実際に私はセファロ分析だけで診断し治療したため、問題が出たケースを多くリカバリーしてきた経験があります。
 
例えば出っ歯の患者さんの場合、下顎が奥に入っているだけでも、上の顎が大きく、下の顎が小さいと診断されて抜歯に至るケースも少なくありません。しまいます。
奥歯が低いことで顎が後ろに下がり、出っ歯に見えているケースは多く、顎を前に出してた位置で噛むように奥歯を高くする歯列矯正で治りますから、抜歯は全く必要ないのです。
(実際は書いてあるほど簡単には治りませんが・・)
また、咬合平面の角度や上下の歯の高さがアンバランスなことで受け口や開口、過蓋咬合になることが分かっています。セファロ分析ではこのような問題の正確な分析はできません。
 
そこでCT撮影を使います。CTは顎の3次元的な位置を把握でき、呼吸路の大きさ、頸椎の歪みも診断する事ができます。
 
正しい診断のためには、頭蓋骨に対する下顎の位置の確認や、上下の歯の高さのバランスを診断する必要があるのです。
 
当院では触診CT撮影、模型分析(半調節咬合器)を総合的に分析して診断する必要があるのです。

噛み合わせだけで変わる分析結果

セファロ分析では患者さんが普段噛んでいる位置で撮影し分析しますが、その位置が生理的に正しい位置とは限りません。

左は普段噛んでいるときのセファロレントゲン写真、右は顎を前に出した状態で撮影したもの、気道の広さが違っているのが分かる

上の写真は、左は患者さんが普段噛んでいる位置、右は私が診断した骨格や筋肉のバランスが整う位置でマウスピースを作成し、それを装着した状態で撮影したセファロレントゲンです。

 

写真からわかるように、左では出っ歯に見えますが、右では出っ歯には見えません

 

左のセファロ分析では抜歯が必要と分析される可能性がありますが、右のセファロ分析では抜歯の必要がないと分析される可能性が高いことが分かります。

 

気道も左に比べて右のほうが広がっています。頭も起き姿勢もよくなり実際にこの患者さんも身体の変化を実感していました。

 

この様に見ると顎の位置を決める作業歯列矯正の成否を分ける最も重要な診断といえます。

 

正しい噛み合わせの診断で歯列矯正を行うとほとんどすべての症例で、劇的に体調が良くなります。


全顎マウスピース矯正治療のリスク

近年盛んにおこなわれているマウスピース矯正ですが、全顎的な歯列矯正や抜歯症例まで行われるようになってきました。

 

しかしこの方法は矯正学的な理論から考えてもとても薦められない治療法だと私は思っていますし、そう思っていらっしゃる先生は多いと思います。

 

下顎は筋肉と靭帯で上顎の骨にぶら下がっているだけの構造です。

 

歯列矯正を受けた方はわかると思いますが、歯が移動すると、歯の当たりは変化します。

 

それに伴って当然顎の位置は絶えず変化してゆきます。

 

マウスピース矯正は治療を開始した時の型をもとにしてシュミレーションし、矯正が終わるまでの歯の移動を予測したんん段階かの模型を作成して、それぞれの段階のマウスピースを作成して少しづつ歯を移動してゆきます。

 

しかし歯の移動によって起こる噛み合わせの変化には対応できません。

 

そこで噛み合わせを変えない範囲で行える、一部の歯の位置を整える程度の治療にしか使われてこなかったわけです。

 

近年CAD/CAMシステムの精度や使い勝手が良くなったため、以前より安価にマウスピースが作成できるため、急速に広まった訳ですが、治療そのものの技術的問題は全く解決していないのです。

 

結論から言うとマウスピース矯正は審美目的としては成立しても、治療としてと成立しませんし、場合によっては重篤な健康被害を起こす可能性があるのです。

 

矯正専門の医院が全学的矯正でこと治療法を取り入れているとしたら、私はその感覚を疑いますし、もし何のリスクを説明しないでマウスピース治療を勧めるのであれば、その医院での治療は考え直した方が良いのではないかと思います。

 

リスクを考えればマウスピース矯正にはメリットよりデメリットの方がはるかに多く、安易に患者さんの要望に応えるといった問題では済まないからです。

 

仮に、一部のほんのわずかの歯の移動に使うとしても、全体的な歯の移動も必ず起こるので、注意が必要なくらいです。

 

敏感な体質で、顎の位置が移動し易い患者さんの場合重篤な健康上の問題が起こる可能性が非常に高いと思います。しかし、それが歯列矯正によるものかどうか患者さんには判断が難しいといえます。

 

健康を考えた歯列矯正を受けようと考えている方はマウスピース矯正を行っている歯科医院は選択肢から除外すべきだと私は考えます。

 

日本矯正学会でもマウスピース矯正の問題に関しては警告をしています。