歯と身体のつながり

東洋医学では、体の経絡を流れるエネルギー「気」が、五臓六腑や、気血水などの人間の体の恒常性を維持するシステムの基本となっていると考えられています。

 

一方西洋医学では、身体を構成している臓器や血液、リンパ液などが身体の恒常性をまるで機械のようにコントロールしていると考えます。

 

しかし、わたしは実際に患者さんを治療をしてゆけば行くほど、そのような単純な理論だけでは治しきれない身体の不思議を感じるようになりました。

 

難しい患者さんの場合、どんなに教科書や文献を調べても解決できない症状があったからです。

 

特に歯が悪くなる人の場合必ず「腎」が、物理的にもあるいは経絡的にも問題が起こっています。

検査の数値で出る場合もありますが、疲れが取れにくかったり、腰痛があったりといった症状で現れる場合もあります。

 

東洋医学で「腎」は歯と骨に関係しているだけでなく、生命エネルギーの元である「精」を生み出すとても重要な場所です。

 

つまり、西洋医学の「腎臓」の機能とは必ずしも一致していないということを理解しておかないと、身体の不調とそれに関係する臓器の問題、身体に現れる症状との関係がうまくつながらなくなるのです。

 

「腎」に問題が起こると、やる気がなくなり、元気がなくなってきます。

 

そして「腎」の生み出す生命エネルギーである「腎精」が消耗すると、歯周病や虫歯、根の病気が頻発する様になってくるのです。

 

「腎」の「精」は生まれつきのもの「先天の精」と「後天の精」とに分かれ、「先天の精」は生まれつき親から引き継がれたものなので、変えることができません。

 

これは貴方を産んだ時の、お母さんの状態や、生まれた場所、生年月日などと大きく関係してきますので、自分ではどうにもできません。

 

しかし「後天の精」は養生法(健康管理法)によって増やしてゆくことができます。

 

ですから、歯のトラブルを抱える方は養生法を知って実践していただくことがとても重要です。