顎がズレていることに気付いている人は少ない
顎のズレを治す着想を得たきっかけ
毎日ほとんどの人は無意識に食事をしており、噛めている以上、自分の顎の位置がずれているとは考えることはまずないでしょう。しかし、顎のズレは誰にでもあって、気づかない間に体に負担をかけ、全身の骨格をゆがめる原因になるのです。
①顎のズレはすでに起きている!
顎がズレて実はすでに症状に出ていることも多いです。しかしほとんどの場合、その症状が顎のズレがでおきていることすら気が付かないのです。
肩と首の異常な凝り、あるいは少し歩くだけで疲れやすかったり、体力がもたなかったりする場合顎のズレがすでに起きているのです。
普通は自分の体力不足ぐらいにしか思いません。だから恐ろしく、放置してしまいがちなのです。
影響がさらに進行すると「楽に呼吸ができない」、最後は、「集中できない」、「やる気が出ない」、「思考がまとまらない」、「解決できないことで悩む」、「生理痛」といった症状や人によって様々な現れます。
また万が一、自分で噛み合わせが原因と気付いても、症状が複雑で普通の病院では相談しても相手にされず。治療が遅れて重症化してしまうケースも多いのです
②顎関節症とは気づかなかった私
私は学生だった二十歳頃から「首、肩の酷い凝り」、「胃腸障害」、「アトピー性の湿疹」、「精神の落ち込み」などの多種多様の不調に悩まされていました。
噛み合わせが原因とは考えもせず、内科で血液検査を受け、異常がないもののブタクサなどにアレルギーがあるとことで、抗アレルギー薬と胃薬を出されて飲んでいました。
胃腸薬には多少効果もありましたが、抗アレルギー薬の効果は全く分かりませんでした。
他にも何件か皮膚科や内科で診てもらいましたが、やることはほとんど変わらず、このような症状に医者は無力だと気がつきました。
そこで薬局で勧められた酵素や酵母などの民間療法も試しましたが、効き目はありませんでした。
時は経って歯科医院を開業すると、不調はますます酷くなってきて、ある寒い夜ナイターのテニス中に肉離れを起こし歩くことすらままならなくなりました。
妻が柔術師の先生を見つけてくれ、施術を受けると今までで最も効果を感じました。
施術をうけるうちに身体は徐々に楽になって来ました。体調は良くなってきましたが、完治には至らず診療での身体の負担が大きかったので、悪化しないよう何年も通い続けることにしました。
3年ほど通院した頃、私の医院では深刻な問題を抱えていました。
医院には矯正患者さんを20人以上も抱えていましたが当時の私にはミクロン単位で正確にブラケットを装着する技術が十分ではありませんでした。
難しい患者さんの場合、24から28本装着するブラケットのうち、一本のブラケット装着がたつた250μm狂っているだけで、歯が全く噛み合わなくなり、治療を完了できないのです。
私の医院には難しい患者さんが集まっており、終了できない矯正患者さんが増え続け困り果てていました。
③白須賀法との出逢い
そんな時、2,008年に当時完成したばかりの白須賀法という正確なブラケット装着法に出逢い、白須賀先生に直接技術を教わるチャンスに恵まれました。
学び終わると直ぐにこの方法で足踏み状態だった矯正患者さん全員のブラケットをこの方法で装着し直すと、みるみる歯が噛み合って治療が終了していきました。
矯正後に全身症状を伴うトラブルが起こることが少なくないことを知っていた私は、白須賀法を習得しその結果をみて、ブラケット装着はミクロン単位で正確に行われないとトラブルが起こる可能性が高くなること知りました。
比較的敏感な体質だった私は、自分の矯正を始めるのを躊躇していたのですが、この方法なら大丈夫だという手応えを感じ、早速矯正を始めたのです。
④矯正で顎が動き体調に変化が!
ブラケットを装着し、矯正を始めると長年の整体やマッサージで身体が緩んでいたからか、上下の歯が全く噛み合わないほど顎が勝手に前に動き始めました。
それと同時に首と肩のコリ、首と肩にあった異常な重さが嘘のように消え、身体の柔軟性が増しました。
私の辛かった症状は顎の位置が大きな要因だったのです。整体の先生がいつも治療の姿勢が悪いといっていましたが、それが原因でなかったことに気が付いたのです。顎が後ろに位置すると首が緊張したり、呼吸路が狭くなって、姿勢を無意識に前に出す状態になっていたのです。
⑤顎の位置を治す方法を確立
身体に負担のない噛み合わせを作るためには、顎を前にずらした位置で上下の歯が噛み合わなければなりませんでした。
自分が治療を受けてみて分かったのが、顎の位置を変えて噛み合わせを作りながら身体のバランスまで整える治療はとても時間がかかるということでした。
というのも顎の位置を変えると全身の骨格の形状が変わり、顎の位置を変える必要が出ます。この顎と身体のバランス調整を何度か繰り返す必要だったからです。
最終的に私の身体の骨格が整い、顎の位置が決まって歯列矯正が終わるまでに2年以上かかりました。
現在は治療法が改善されて、難症例でない限りほとんどの場合1年前後で治療を終わらせることができるようになりました。
⑥顎が治るとさらに驚く変化が
私は治療前、子供とよくテーマパークや遊園地、動物園に出掛けていましたが、すこし歩くだけですぐに座る場所を探すほど疲れやすくなっていました。
姿勢は猫背で身体は重く一歩一歩の足取りが重い感じでした。
ところが治療後は姿勢が良くなり、腰の上に上半身がしっかりとはまり、まるで腰で歩き脚が勝手に付いてくる感じになったのです。
これは顎の位置を治したことで筋肉が緩み全身の骨格が整って身体に負担のかからない姿勢を自然に取れるようになったからでした。
さらに歩いてもなかなか疲れない体になり、疲れても回復が早くなり、治療中の集中力も上がったのです。
後からわかったのですが、身体と顎のバランスが不均衡になっていると全身が歪み筋肉が緊張して筋肉に挟まれている神経と血管が圧迫され、神経伝達機構や循環機能が低下します。
顎の位置を治すことで筋肉の緊張が無くなり骨格が整い、圧迫されていた神経と血管が解放されることで神経伝達機構と循環機能が正常になったのです。
⑦顎の治療と中枢神経機構
全身の骨格が整うと、脊髄管の通っている頚椎などの椎骨の配列が整います。
脊髄管には脳に繋がる脊椎神経繊維と周りには脊髄液が流れています。椎骨の配列が整うことで脊椎官の歪みがなくなり、脳脊髄液の流れが改善して中枢神経の機能が整います。
治療後、歳による衰えを感じていた頭の回転が戻りアイデアが湧きやすくなり、味覚や嗅覚も鋭くなりました。落ち込むと,なかなか立ち直れなかった精神面も回復が早くなり、治療や医院の効率化、スタッフの負担軽減などのアイデアが湧き出すようになり、より積極的になったのです。
⑧身体は良くなったのに!
私は、身体が良くなり顎の治療法も確立したおかげて何の問題もなく治療に臨むことができると考えていました。
ところがある日診療で疲れて帰宅し、お風呂と食事を済ませて床に着いたのですが、脳が興奮状態で寝付くことができません。更に理由のわからない不安感に襲われました。
そんな日が何日も続き、さらに難症例を抱えて私はエネルギー的に疲れ果てていました。
気力が失われ、身体のネジを巻いて欲しくなるような、生命エネルギーの枯渇を感じるようになりました。私はもう病院を閉院して療養に入るしかないと考えるほど憔悴していました。
⑨東洋医学との出逢い
しかし、こんな症状でも治してくれるところがきっとあるはずだと、ネットで調べると私にあった症状を医療気功で治せることを知りました。
そこで施術を受けると、パンパンになっていた頭が緩み、徐々にクリアになってきました。不安感も取れ夜もグッスリ眠れるようになったのです。
そこの施術院では本場の鍼灸や抜罐法、中国の整体である推掌(スイナ)、気功術や漢方、薬膳の指導もしていました。
私は自分で行う内気功のコースを受けたのち、すぐに相手に気を送って治療を施す医療気功法のコースを半年かけてを習得しました。
その後独学を含め8年かけてあらゆる東洋医学の技術を学びました。
東洋医学を学ぶうち、顎関節症のような多種多様な症状が出る疾患は顎と身体の不均衡による全身の歪みだけで起こるのではなく、それと同時に歯と顎に溜まったストレスエネルギーが生命エネルギーである気に影響を与えたことも大きな原因であると知ったのです。
⑩東洋医学と顎関節症
東洋医学では経絡という「気」(生命エネルギー)の通り道があります。経絡上にはエネルギーが出入りするするポイントであるツボが300以上存在しています。
経絡は目には見えませんが、線路のように全身に張り巡らされています。経絡は全身で12本程あり五臓六腑※の機能を司ると考えられています。
そのうち頭頸部に8本の経絡が流れていて、頭部や首周りに異常が起きるとこれらの経絡が影響を受けます。
私は、顎関節症で顎とは全く関連性のない全身の不調が起こるのは、歯や顎にかかったストレスエネルギーがこの8本の経絡を遮断したことが原因であると考えています。
五臓六腑の名前が各経絡に付いており、名前から遮断されて起こる症状も決まります。つまりどの経絡がストレスによって遮断されたかが分かれば、たとえ顎と全く関連性が内容に見える症状でも、東洋医学的な診断によって容易に治療を行うことができるのです。
※五臓六腑・・東洋医学の考え方で、体の重要な機能を調整する五臓である肝心脾肺腎と六腑である胆小腸胃大腸膀胱三焦がある
