治療後約25%もの人が「歯列矯正をやらなきゃよかった」と後悔するといわれています。
矯正後に不満の原因となる不具合
①見た目の問題(口元が凹んでしまった、抜歯矯正をしたが出っ歯感が治らない)👉
②噛み合わせの問題(噛み合わせが滑る、奥歯で噛みにくい、前歯が強く当たる)👉
③体の機能に関する問題(呼吸が苦しい、動悸がする、胃腸の調子が悪い)👉
④身体に出る不具合(首コリ、肩こりが酷い)👉
⑤思考に関するもの(不安感、焦燥感が出やすくなった)👉
「恐ろしいことに、これらの不調を訴える方の多くは、一見すると歯が綺麗に並び、上下の歯もしっかり噛み合っているように見えるのです。」
歯並びと噛み合わせの違い
今の歯列矯正は、審美矯正という、見た目を治す治療法に偏っています。しかし、見た目が治っているから噛み合わせ(下顎の位置)が正しく治っているとは必ずしも言えないのです。
そして初めに触れた5つの歯列矯正後に不満の原因となる不具合は全て噛み合わせと深く関係しています。
生体と適合した顎の位置とは?
下顎は上の顎と二つの関節で軟骨と靭帯だけでつながっているとても自由度の高い関節です。
顎を動かしてゆくとわかると思いますが、顎は前後左右に広い範囲で動かすことができます。
この様な関節は身体の中では非常に珍しい上、顎の位置がズレることで全身のバランスが狂い、体調不良の原因になるほど、噛み合わせの位置は重要なのです。
①見た目の問題(口元が凹んでしまった、抜歯矯正をしたが出っ歯感が治らない)
見た目を治すために、抜歯矯正を行うと、このような問題が起こりやすいです。
出っ歯に見える人はたいてい顎が奥に入っていて、噛み合わせの高さが低い傾向があります。
歯を抜いて見た目を治そうとすると、奥歯の高さは低いままで、前歯が後ろに下がると同時に奥歯が前に移動します(作用反作用の法則)。
その結果、噛み合わせの高さがさらに低くなり、お口の中は歯列矯正前より狭くなりますし、上顎は下顎に対して出たままなので、口元がくぼんで見えたり、頬が飛び出して見えたりするのです。
「※歯を抜いて前歯を下げようとすると、固定源である奥歯も同時に前方へ引っ張られ(作用反作用)、結果的にお口の中の容積(舌のスペース)が狭くなり、舌根沈下を引き起こします」
①への対策
見た目が悪いからといって安易に抜歯治療を選ばないことです。
人間の体はとても緻密に作られています。通常上の歯と下の歯は噛むように作れており、骨格に合った大きさの歯が生えてきます。
右手と左手の長さが生まれつき何センチも違う人がいないように、上の骨と下の骨のバランスが極端に異なっていることは通常はあり得ません。
しっかりとしたCT撮影による診断👉や、顎の位置を確認して👉精密な模型診断👉を行えば、噛み合わせの高さと顎の位置に問題があることはすぐに分かるはずです。
それを確認しないで、歯だけ並べると見た目がおかしくなり、後悔することになります。
②噛み合わせの問題(噛み合わせが滑る、奥歯で噛みにくい、前歯が強く当たる)
人は無意識で噛んだ時、顎が最もリラックスした位置で噛めるととても噛みやすいです。
歯列矯正で歯をただ並べただけだと、この顎の筋肉がリラックスして、最大限の機能を出せる位置と、矯正後に噛める位置がズレてしまうことがあります。
奥歯が低いと奥歯が当たらない高さで噛もうとするため、前歯しか当たらなくなりますし、顎の位置が左右的にズレていると奥歯が正しく当たらずに滑ってしまうのです。
「(写真左)普段の噛み合わせでは中心があっていて、一見しっかり噛んでいるように見えますが、(写真右)顎の関節をリラックスさせると、実は奥歯の高さが足りず、これだけの隙間とズレ(下顎の偏位)があることが分かります。このギャップが顎関節症を誘発します」
②への対策
このようなトラブルを避けるためには、ただ歯並びだけしか見ない診断だけしかしない歯科医院で安易に治療を受けないことです。
歯列矯正は実は診断が最も大切で、診断を間違えると、間違いなくトラブルが起こります。
顎の位置までしっかり考えて治療をしているか?
顎の状態まで分かる模型でしっかり分析しているか?などを確認することが大切です。
③体の機能に関する問題(息苦しい、動悸がする、胃腸の調子が悪い)
顎の位置がズレる(通常は奥に入る)と口に中が狭くなると舌を置く場がなくなり、舌を奥に引くことで、舌根沈下※を起こしやすくなります。
舌根沈下によって呼吸路が狭くなり、息苦しくなります。
顎周りの筋肉が緊張してリバースネックやストレートネックになり、脊髄神経が圧迫され、動悸や、胃腸の不調を引き起こします。
また首には東洋医学でいう「経絡」が通っています。この経絡を通る「氣(生命エネルギー)」」は、胃の機能や心(心臓)の機能をコントロールしています。
首が固まるとこの「経絡」が詰まりやすくなって「胃」や「心(心臓)」の機能が低下して、体調不良を起こします。
※舌根沈下・・睡眠時や意識低下時に舌の根本が重力で喉の奥へ落ち込み、気道を塞ぐ現象。いびきや睡眠時無呼吸の原因になります。、
③への対策
今噛んでいる噛み合わせの位置で顎の周りの筋肉に緊張が起きていないかを確認することが大切です。
緊張がひどい場合は顎の位置が正しくない可能性があります。
④身体に出る不具合(首コリ、肩こりが酷い)
歯列矯正後に限らず、噛み合わせが悪いと、首のコリや、肩の凝りに悩まされることがあります。
顎の位置が奥に入ると、顎周りの筋肉は緊張しやすくなり、それがリバースネックや、ストレートネックの原因になります。呼吸が苦しくなることによって、楽な姿勢にするため猫背になるため、首や肩の負担が増し、首コリや肩こりの原因になるのです。
「下顎が後ろに下がると、気道を確保するために無意識に頭を前に突き出す姿勢(ストレートネック)になります。約5kgある頭部を支えるために背中が丸まり(猫背)、結果として全身の骨格が歪んでいくのです」
④への対策
自分が普段から姿勢が悪くないかをチェックします。
筋肉の緊張が強いまま、歯列矯正が終了してしまうと、顎の位置が奥に入ったままになって、不調が一生続くことになります。
あまりひどい場合はセカンドオピニオンなどに相談することも考える必要があります。
⑤思考に関するもの(不安感、焦燥感が出やすくなった)
このような不調は残念ながら、西洋医学の考え方だけでは完全には説明が付きません。
しかし、東洋医学的な考え方を使うと因果関係を分析できます。
歯のすぐそばや首にはには心の感情をコントロールしている「経絡」の一つである「小腸経」の経絡が通っています。
首の緊張や歯の不適切な移動によって、この経絡がダメージを受けると「不安感や焦燥感」が出ることがあります。
これらの症状はデリケートな大使巣の方に起こりやすく、自分の感情がネガティブになったり、不安になったりするので、非常につらい症状の一つでもあります。
メンタルや自律神経の不調は、歯だけを並べる一般的な矯正装置(マウスピースなど)ですぐに治せるものではありません。
なぜなら、原因が「顎の位置と経絡の詰まり」にあるからです。当院では、筋肉の緊張を解き、小腸経をはじめとする経絡の流れ(氣)を整える位置へと下顎を誘導しながら、体質そのものを包括的に改善していく治療(【和】のフェーズの治療👉)を行います
⑤の対策
メンタルに問題が起きている場合は上のイラストの「天容」の位置をおしてみて痛みが出ることがほとんどです。
この場所に痛みがある場合、東洋医学的には「太陽小腸経(心経の表の経絡)」の「経絡」が詰まることを意味していて、精神(不安感、焦燥感が起こる)に影響が出ることが知られています。
お風呂に入ってこのツボをおしたり、マッサージを繰り返すと症状が軽減してくることがあります。
ただし、顎の位置が悪いとなかなか治るまではいかないことがあります。
最後に:装置が歯を治すのではありません
現代の歯列矯正は、コンピューターが自動計算したプラスチックの装置を順番にはめれば、誰でも簡単に歯が並ぶかのようなマーケティング(宣伝)が主流になっています。
しかし、人間の身体はロボットではありません。既製品のシステムに患者様の身体を無理やり合わせる治療は、見た目と引き換えに、顎関節や全身の健康(未病)を損なうリスクを孕んでいます。
当院が行う包括歯科医療は、装置(マウスピースやワイヤー)をただ渡して終わりにする治療ではありません。CTによる骨格分析と咬合器診断を【礎】とし、患者様の動的な身体の反応を見ながら顎の位置をミリ単位で【建】てていく、生体調和の医療です。
「歯並びは綺麗になったけれど、体調が悪い」そんな後悔をゼロにするために、当院は事前の診査・診断に最も重きを置いています。




