米国で25年の実績
4ハンドシステムは、歯科先進国であるアメリカで標準化されている、治療をきわめて効率的に行う診療体制です。
当院では、歯科医師とアシスタントが息を合わせて「4本の手」のように連携する「4ハンドテクニック」を徹底しています。
アシスタントが治療の先を読み、的確なタイミングで器具の受け渡しを行うため、診療中の無駄な動きが一切なくなります。
これにより、患者さんがお口を開けている時間を最小限に抑え、顎や体への負担を大幅に軽減。同時に、自由診療ならではの精密でクオリティの高い治療に集中できる環境を整えています。
2009年より「4ハンドシステム」を完全導入
当院では、米国での歯科訪問研修を機に、2009年からこの効率的で精度の高い「4ハンドシステム」を完全導入しました。
常にグローバルな視点で、患者さんにとって最適な治療環境を追求しています。このシステムは、歯科医師の身体的負担を減らすだけでなく、治療そのものを効率化します。
結果として「1回の治療時間」と「全体の通院回数」がどちらも少なくなり、患者さんと医療従事者の双方にとって負担の少ない診療が実現します。
「治療ごとに器具がセットされた『カセット』。このまま丸ごと洗浄・滅菌できるため、とても衛生的です」
4ハンドシステムを最大限に機能させるためには、バックヤードでの準備体制である「IMSシステム(Instrument Management System)」の導入が不可欠です。
当院では、このIMSシステムと後述するTUBシステムを組み合わせることで、治療前に器具を一つひとつ手作業で用意する「ピッキング作業」を完全になくし、診療の効率化と徹底した衛生管理を両立しています。
器具に直接触れる回数を最小限に抑えられるため、スタッフの針刺し事故を防ぐだけでなく、極めて高いレベルでの院内感染対策(滅菌の徹底)が可能になります。アメリカでは、ほぼすべての歯科医院がこのシステムを採用しています。
「治療に必要な材料がすべてまとまった専用ケース。これがあるおかげで、治療中にスタッフが席を離れて材料を取りに行く無駄な時間がなくなります」
「TUB(タブ)」とは、治療内容ごとに使用する薬剤や消耗品などの材料を、あらかじめセットにしてまとめた専用ケースのことです。
例えば、「アマルガム充填用」「RIVA充填用」「根管治療用」「印象(型取り)用」など、それぞれの治療に使うすべての材料が、あらかじめこのTUBの中に揃えられています。
アシスタントが治療中に席を離れない仕組み
このシステムにより、治療中に「あ、あの薬が足りない」「あの材料を取ってこよう」といったピッキング作業(保管場所へ材料を取りに行く往復の動き)がゼロになります。アシスタントは治療が始まるから終わるまで、ずっと患者さんのチェアサイド(お隣)に付き添うことができるため、器具の受け渡しがよりスムーズになり、治療の効率が劇的にアップします。
4ハンドテクニックがもたらす効果
綿密な訓練を積んだアシスタントが、IMSシステムとTUBシステムを駆使して歯科医師をサポートすることにより、実際の治療時間を「30%〜50%」も短縮できることが分かっています。
治療時間が短くなることは、患者さんのお体にかかる負担、そしてスタッフの負担を大幅に軽減させることにつながります。
日本の歯科診療をめぐる現状(院長の想い)
現在、日本でこの「4ハンドシステム」や「IMS/TUBシステム」を本格的に採用している歯科医院は非常に少ないのが現状です。
日本の歯科医療は国民皆保険制度に支えられていますが、その評価(診療報酬)が著しく低いため、設備やシステムへの投資が難しく、生産性が上がりにくい構造になっています。海外の先進的な事例と比べると、診療システム自体の効率が悪く、結果として歯科医院の労働環境の悪化や非効率な診療につながっていると私は感じています。
これは、日本の市場の閉鎖性や、歯科大学における教育レベルの見直しが進まないこと(いわば日本の歯科のガラパゴス化👉)が根深い原因です。厚生労働省や文部科学省などの閉鎖的な仕組みも絡んでおり、簡単には解決できない問題かもしれません。
私は30年以上前から日本の歯科ユニット(治療椅子)の使いにくさに疑問を感じていました。その後、師事した先生からアメリカ・A-dec(エーディック)社製のユニットを教えていただき、その合理的な設計と使いやすさに深い感銘を受けました。
大学病院などでも、治療の質や効率を上げるための抜本的なシステム改革はまだ不十分です。国民皆保険制度の枠組みと併せて、これらの診療体制のイノベーションが絶対に必要だと確信しています。なぜなら、日本の歯科診療のレベル(効率や精度)が上がらないことは、巡り巡って、日本人の健康の質そのものを低下させることへと直結してしまうからです。当院ではこれからも、グローバル基準の最善のシステムで、患者さんの未病予防と健康の質向上に貢献してまいります。
