· 

歯科大学の日本とアメリカの違い

日本とアメリカの歯科大学を比較すると、教育システムやその根底にある考え方に大きな違いが見えてきます。

 

まずアメリカでは、教育レベルの高い大学ほど授業料も高額になる傾向があります。

 

これは教育を「投資」と捉える文化が根付いており、質の高い教育には相応の投資が必要だと考えられているためです。実際に、多額の借金をして入学し、卒業後に自力で返済する学生も少なくありません。

 

そのため、大学の教育レベルや環境、コストパフォーマンスを評価するランキングが毎年公表され、学生は自分の目的やレベルに合った大学を厳選します。

 

また「投資」である以上、指導教官がセンスのない学生に対し、別の道へ進むよう促す(退学勧告を含めた指導を行う)こともあるようです。 

 

一方、日本はどうでしょうか。勉強が得意な学生が集まる国立大学は授業料が安く、私立大学は(偏差値に関わらず)授業料が非常に高額であるのが一般的です。

 

しかし、教育内容そのものに目を向けると、私学と国立で大きな差があるとは言い難いのが現状です。

 

あくまで私見ですが、現状の日本では「授業料が安い分、受験勉強を頑張りなさい」という程度の違いしかなく、入学後の教育カリキュラムに決定的な差はないと感じます。

 

したがって、治療を受ける際に「国立出身か、私大出身か」という点は、歯科医師を選ぶ決定的な基準にはなり得ません。

 

日本の教育環境において、出身校の種別だけで技術的な差がつくことはまずないからです。 

 

臨床において真に求められるのは「知識」「感性」です。

 

診断には膨大な知識から疾患を特定する力が不可欠ですが、実際の処置においては「感性」がより重要な役割を果たします。

 

それは、処置の最中に「なぜこの状況が起きたのか」「今の状態は正しいのか」を一瞬で判断する能力、いわば「医師の勘」です。

 

治療中に違和感があれば自然と手が止まり、正しい方向へ修正できる能力は、受験に必要な学力とは無関係な、その人が持つセンスに依存します。 

 

結論として、日本でありがちな「偏差値の高い国立出身だから名医」「私立出身だから技術が劣る」といった見方は、臨床現場の実態を鑑みれば、決して正解とは言えないのです。